KPOPオタクの日記

語彙力皆無のオタクです。

怪物を目の前にした群像劇【ザ・ボクサー】

ここまで人を白熱させるウェブトゥーンがあっただろうか。

いつも韓国ドラマばかりを紹介している私ですが、今回は韓国ウェブトゥーンを紹介したいと思います。

それがこの作品

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ザ・ボクサー(The Boxer)

題名から分かる通りボクシングの漫画です。

ジャンルは群像劇で、読んでいると目頭と胸が熱くなる超絶熱い漫画。

「結城」という青年が、数々の世界チャンピオンを生み出したコーチ「K」に才能を見出され、最強のボクサーへ育てられたことからこの物語は始まります。主人公である結城はまるで生きる屍のようで、とにかく人間味に欠けた人物。高校生時代に同級生の姿に見た「光」だけを求めてボクシングを始め、圧倒的な強さで相手を打ちのめす彼のあだ名は「怪物」。どれだけ相手が今まで激しいトレーニングを積んでこようが、輝かしい実績を持っていようが、結城の前では無駄も同然。そんな選手達の生きてきた過去や、ボクシングにかける思いが描かれているのがこの作品です。

これはネタバレでは無く、大前提として、この作品はどう足掻いても結城が勝ちます。何故なら彼は怪物だから。「どっちが勝つかな(ドキドキ)」や「主人公がんばれ〜!」のようなスリルを楽しむ漫画ではありません。

あくまで怪物を目の前にして絶望の淵に立たされたボクサーが今までの人生を振り返り、ボクシングにかける思いや大切な物を再確認していく物語。

最初は気に入らない選手でも、彼らの人生を見ると応援せざるにはいられない。クズでもなんでもない主人公をこんなに応援したくない漫画がかつてあっただろうか。もちろん結城に関するエピソードも描かれるので、主人公を嫌いになる心配は無用です。

かなりシリアスで壮絶な過去が何度も描かれていきますが、途中のギャグ回も声を出して笑うほど、どのエピソードも上手く作られています。

しかもこの漫画のすごいところは、群像劇に全振りせず試合の描写までしっかりしている点。

パンチの威力や、会場の空気、血で汚れたリングなど、ディティールまでしっかり描かれた試合は息を飲むほどカッコいい。

どのエピソードも魅力がいっぱいで大好きなんですが、私が特に好きなのはサントリノ兄弟のエピソード。

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兄弟の壮絶な過去もいいのですが、特にこのエピソードは試合の構成が鳥肌が立つほど素晴らしかったです。

その他にも、超努力型の選手や

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至高のボクシングだけをただ求める選手

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元ボクサーの父に憧れ、結城を目標にただ前に突き進んできた選手

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などなど、魅力的なキャラクターが沢山登場するので、ボクシングを知らない人にも是非読んで欲しい作品です...!!