KPOPオタクの日記

語彙力皆無のオタクです。

どこにでもありそうでどこにもないドラマ「偶然見つけたハル」

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※この記事には少しのネタバレと、俳優さん達の情報など無駄知識を含みます

 

皆さんは漫画って読みますか?

少年マンガでも少女マンガでも、グロ漫画でも同人誌でも、ジャンルはなんでもいいです。多分日本に住むほとんどの人が読んだことがあると思います。ちなみに私は小学校3年生の頃、少女漫画雑誌ちゃおを買って読んでました。(主に付録目当て)

これは例えばの話ですが、あなたが少女漫画を読んでいるとしましょう。

そしてその漫画には、Aちゃん、Bくん、Cくんの三角関係が描かれています。

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(クソダサ相関図を添えて)

AちゃんBくんは結ばれることが確定していて、あなたの推しはCくんです。

Aちゃんがヤンキーに絡まれた時助けたのはBくんで、それがハンデとなり一歩届かず、Cくんは恋の戦いに敗れてしまいました。

この時皆さんはCくんに対してきっと

「あの時Aちゃんを助けたのがBくんじゃなくて、Cくんだったら、きっと結ばれてたのに!Cくんはあの時一体何をしてたんだ!星でも眺めてたのかこのロマンチスト野郎!」

と思うことでしょう。

でも、CくんがAちゃんに危機が訪れていることをそれが起こるずっと前からわかっていたとして本当に彼は助けられたのだろうか。助けようとしていたのに、作者によって行動が制限されていたら。いくらAちゃんに近づこうとしても、体が動かなかったら。

そう考えたことはありますか?

そんな漫画の登場人物達が深く掘り下げられたドラマ

偶然見つけたハル

のお話です。

 

簡単にこのドラマを要約すると

「自我を持った少女漫画の登場人物が自分の意思とは違うシナリオを変え、自分の人生を生きるために奮闘する、予測不能なファンタジーラブロマンス」

です。よく分からないと思うので、映像を見ていただけるととっても分かりやすいと思います。(人頼み)

このドラマ言葉で説明するのがすっごく難しくて、ドラマでも第一話は何を言ってるか分からず、原作の漫画でも10話ぐらいまで状況が読み込めません(頭の良さの問題???)

ちなみに原作とドラマでは、人物の性格など少しシナリオの変更はあるものの大元は一緒なので、原作ファンの方も楽しめるはず!

ちなみに自我を持った登場人物は、漫画には描かれていないストーリー外の記憶を保持することができ、漫画のストーリー内で思い通りに動けない役者のような形になります。

逆に自我のない子達は、ストーリー外の記憶が何も残らず、自分で「こうしたい、ああしたい」という意思がないので、漫画の中でも外でも性格が一貫しています。

韓国ドラマ初心者の方にもそうでない方にもオススメですが、特に

「女神降臨2周目行こうかな」

「女神降臨見よう」

って思ってる方、一回偶然見つけたハル見てから女神降臨から見ましょう。

女神降臨が2倍楽しめます(これはガチ)(理由は後ほど)

 

登場人物

※1、2話のネタバレを少し含みます

ウンダノ(キムへユン)

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本作のヒロインであり、漫画の中ではエキストラ。心臓病を患っており、小さい頃に何度も手術をして奇跡的に学校に通っている。彼女には婚約者がいるが、彼に冷たくあしらわれ毎日傷心。しかし自我を持ったことで、彼への気持ちが作者の意図であり自分の本心ではないことに気づく。

更に彼女が、漫画のシナリオの中で死ぬ運命ということが判明し、生きるためにシナリオを変えることを決意した。

SKYキャッスルのイェソとは全然違う役柄で、最初びっくりしました(SKYキャッスルも面白いので是非!)

ダノちゃん本当にいい子なんですよ...

明るくて前向きで、ちょっと泣き虫で。私なら絶望するような場面でも前を向いて勇気を出すシーンは何度も元気をもらいました。

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このドラマでは主要人物とまでは行きませんでしたが、ダノの周りでいつも元気に振る舞うこのいつメンが最高だと思います。

シンセミ(左)は漫画の中では漫画のヒロインを恋敵にしていじめる役ですが、ダノのことを親友として支えてくれていてどこか憎めない存在。

アンスチョル(右)は学園の情報通で、いつもおちゃらけた雰囲気ですが、この何も考えてないような底抜けの明るさがモブあるあるで面白い。3人でご飯食べたりしてるの見ると、無性に青春を味わいたくなる。

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ちなみにダノ役のキムへユンちゃんものすごい実力派で、ちょっとハスキーな声が癖になります。このドラマが初ロマンス作だったらしいですが、すっごく自然でしたよ!ちなみに性格は、へユンちゃん曰く「漫画の外(シャドウ)の性格が自分に近い」そうです。(Kstyleさんより)

「偶然見つけたハル」キム・ヘユン、SF9 ロウンとのキスシーンも“2人とも初のロマンス作品で…” - Kstyle

 

ハル

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ダノより脇役の男の子。漫画の中でも良くて口しか描かれない。もちろんセリフや名前なんてものはなく、顔も描かれてないので漫画の登場人物達も彼の存在に気づいておらず、自我を持つ人物のみが認識できる。

「作者も知らない存在」だからこそシナリオを変えられるのだと確信したダノが「ハル」という名前をつけ、シナリオ変更大作戦に協力してもらう。しかし彼には本人も知らないある隠された秘密があって...

ピュアピュアのピュアで、ダノとドファ(後記)に振り回されて時々きょとん顔になるのが愛しい。だけどダノを守るときは男らしい一面もあって、いまいち性格が掴めない。ダノとの身長差がマジもんの少女漫画。良くキャストが揃ったな。ハルは韓国語で書くと「하루」これは韓国語で「一日」という意味であり、ダノが特別な一日を見つけられるという意味を込めてつけたもの。

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ちなみにハル役のロウンは、アイドルグループSF9に所属しております。

ロウンの身長は190cmあり、グループの中でも1番高いですが、ほとんどのメンバーが180cm以上あるグループなのでそこまで目立たないのも面白い。

今こそコロナでファンと対面できないものの、熱狂的な男のファンが多くて以前はよく話題になってました。俳優としても多くの作品に出演するロウンですが、アイドルとしても完璧なのでステージもチェックするのをオススメします

 

イドファ

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ダノが通う学園のイケメンTOP集団「A3 」のNo.2。王子様担当イドファ。ダノの次に自我が芽生える。(結構早い段階でわかるので、ここだけネタバレさせてください;)

ダノとは逆で、漫画の中でも外でも心の底から漫画のヒロイン(ジュダ)が大好きな男の子。(作者の意図と同じ)

三角関係のうち結ばれない方の男なので、なんとかジュダと結ばれたいドファは、ダノと協力してこのシナリオを変えることを決意。

めっっっっっちゃいい子。

ダノが漫画内で死ぬことを知ったら泣いちゃうし、普通なら自我なんか持ったら恋敵であり、自我が無い漫画の主人公(ナムジュ)を馬鹿にして抜け駆けしそうだけど、自分の親友だから。自分が好きな人の好きな人だから。とリスペクトを忘れない。この子がいたから私はこのドラマを思いっきり楽しめた。ありがとうイドファ

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ちなみにドファ役のチョンゴンジュさんは、めっちゃスタイルがいい。自分との差に絶望するから何頭身なのか数えたらいけない気がする。

JYP所属の新人俳優さんで、デビュー作は同じくJYP所属のバンドDAY6の

「I Like You(좋아합니다)」のMV。気になった方は是非チェックしてみてください

 

ギョン

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A3のNo.3であり、ぶっきらぼうな性格をしている。ダノの婚約者であるものの、ダノを煙たがっており、強くあたるため漫画の中でダノがよく傷ついて泣いている姿がちらほら。でも韓国の恋愛ドラマの良いところは、悪役も完全な悪役じゃ無いところ。実は心に深い傷を負っていて、そこまで性格が悪いわけじゃない。

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ハルとはバッチバチの関係になりますが、本人同士は仲が良いので安心してください

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ギョン役を務めたイジェウクさん、実は年齢がへユンちゃんより2歳年下の新人俳優さんなんですが、全然そんなの感じないくらい演技が上手でした。このドラマではありませんが、「WWW:検索ワードを入力してください」に出演していた役では、優しい役でとっても素敵だったので是非見てください(ソルヒョンカップル永遠なれ...)

 

オナムジュ

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この漫画の主人公で、A3のNo.1。学校1の権力をもつが、恋には不器用な男の子。好きな人のためならお金も努力も惜しまない。甘いものが苦手なのに、ヒロインがイチゴミルクを飲んでいたことから我慢してイチゴミルクを飲む純粋さ。

主人公だけどそこまで存在感ないのが良い。(いい意味で)

ちなみにナムジュは韓国語で書くと「남주」ですが、これは韓国語で「男主人公」という意味。すっっごい安直。

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ナムジュ役であり、ペントハウスにも出演するキムヨンデさんはこの世の者とは思えないほど顔と声がいい。女神降臨のシーンはガチの鳥肌たった。四捨五入したら鳥。このドラマ結構爽やかな新人俳優が多くて勉強にもなるし目も良くなる(主観)

 

 

主要男性人物4人全員スタイルお化けすぎてぶっ飛ぶので、是非動いているところをみてほしい。

 

ヨジュダ

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この漫画のヒロインヨジュダ。ナムジュに恋をしているクラスメイト達にいじめられる可哀想な女の子。ダノはこの子のために短い命を使ってシナリオをこなしている。ナムジュとドファがこの子を争ってバチバチだが、ジュダはナムジュと結ばれる運命で、いつも気持ちの伝わらないジュダにドファはヤキモキしている。

圧倒的ヒロイン感がすごい。やっぱナウンちゃんは天才だったか....

ちなみにヨジュダは韓国語で書くと「여주다」

お気づきの通り「女主人公」という意味です。

最初はそこまで存在感ないけど、この子が後々重要になってくる。ドラマを語る上では欠かせない人物。

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ちなみにジュダ役のナウンちゃんは、APRILというアイドルグループに所属してます。何しても様になるこの顔面の強さはもちろん、歌もダンスも上手なんですよね....

LALALILALAっていう曲がにわかながら私は大好きなんですが、可愛いナウンちゃんを見ていただきたいので「Oh!my mistake」を貼っておきます....見て....視力1.8なる....

 

ジンミチェ

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「A3の隠れたメンバー、A4の1人」なんて呼ばれちゃう顔面強強お兄さん。ダノの通う学校で給食料理人をしていて、イカの料理が出る時だけ現れる謎多き人物。この漫画の世界で一番最初に自我を持ち、猪突猛進型のダノ達を注意深く見ている。ダノ達にバカにされたりちょっと抜けてるのかと思いきや、真顔で怖いことを言うからいまいち性格が掴めない。ちなみに後半でしっかり彼についての謎は明かされるのでご心配なく。

またやってまいりました、偶然見つけたハル恒例名前の意味コーナー。ジンミチェは韓国語で書くと「진미채」これは韓国料理のイカコチュジャン和えを指す言葉。なんでだよ

だから作中ではみんなから「イカの妖精」なんて呼ばれてます。

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イカの妖精役のイテリさん。写真写りがあんまり良くないので動いてる方が数倍カッコいい。

「思い切りハイキック!」や「太陽を抱く月」など、若い時からずっと人気ドラマに出演していたので、演技は安定感抜群。金髪も似合ってて最強でした(それにしてもなぜ写真写りが悪いんだろう...)

 

そして!この偶然見つけたハルの俳優さん達が、女神降臨にカメオ出演してるんですよね!

ダノ、ギョン、ナムジュは人物そのままで出てきて、ドファ、ミチェは人物は変わりましたが、給食料理人だったり人気者だったり、根本的な設定は変わってないのが何だか良いですね。ダノとギョンが完全に漫画の中そのものだったので、普通に考えると女神降臨も漫画の中の話ってことになりますよね?なんだそれ。ワクワクせざるを得ない。同じ世界線なのありえないくらい奇跡。監督さんありがとう。

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失礼は承知の上で書きます。(各方面へ謝罪)

女神降臨の野球の人(チョンゴンジュ)は茶髪が似合ってないのと、顔がふっくらしたおかげで謎に芋感取り戻してるんですが、偶然見つけたハルではめっっちゃ爽やかな黒髪イケメンなので見てほしい。惚れる。私の推し。

 

 

レビュー

このドラマを一言で表すなら

飛び出す絵本

が一番近いような気がします。

自我を持つ人物と持たない人物の間に、大きな厚みの違いがあるんですよね。自我を持つ人物達は、漫画の設定とのギャップや、シナリオに対しての苦悩、友情や恋愛模様などが細かく描かれていますが、自我を持たない人物達の性格が、本当に漫画の1ページのように薄っぺらい。記号化してるというか。

ちなみに「記号化」というのは、例えば地図記号の「〒」が「郵便局」以外の意味を持たない。それ以上でもそれ以下でもない。のと同じように、「いじめっ子」なら「いじめっ子」。それ以上でもそれ以下でもない。という意味でここでは使ってます。

学園ドラマって登場人物が基本的に多くて、主人公達に集中したいのに脇役の余計な情報が入ってきて、集中力がバラついちゃうことがあるんですが、このドラマは

自我を持つ人物→飛び出していて目立つ

自我を持たない人物→平面的で目立たない

とはっきり分かれているので、沢山人物はいるのに見せたいところだけを見せる感じがあってすごく見やすかったです。

※この後ネタバレを含みます(閉じるなら今よ!)

 

 

 

 

このドラマの良かったところは、主要人物である「ハル」が第1話から第3話までほぼ喋らないと言う斬新さ。「セリフがないから喋れないのかなぁ」なんて思ったり、脇役という印象を固めるための犠牲がすごい。第一話なんて顔すら映ってないからな。

まだ見てない人達の為に名前が伏せておきますが、自我を持つ人物が話を追うごとに増えていきます。

その度バッドエンドに向かっていた話がハッピーエンドに方向転換したり、逆にハッピーエンドに向かっていた話がバッドエンドに方向転換したり、ひたすらに先が読めなくて心が忙しい。

ひとまとめに自我を持ってると言っても、人物によって全然違うんですよね。

「設定と本心は好きな人が違うから、結ばれるシナリオを変えたい」

「設定と本心が同じだから、結ばれないシナリオを変えたい」

「設定と本心が同じだから、結ばれるシナリオを変えたくない」

「設定と本心は違うけど、自分にとってどっちの人生がより良いかを考えてシナリオを変えるか決めたい」

一人一人に目的があって、誰もが好きな人と一緒にいられるわけではないという地獄

自我を持つ人が増えるほど複雑になるドラマ展開は、何度見ても薄まらない。大好き。

ただいくつか言うのであれば、ドファが学校のNo.2のはずなのに、ギョンやナムジュと違って取り巻きが1人もいないことの違和感が大きかった。確かにハルやダノと一緒に居なくちゃいけないし、単独行動しないと話が進まないんだけど、それにしても居なすぎる。No.3のギョンだって取り巻きいっぱい居るぞ???

あとは後半の時代劇パートが重要なシーンなのは分かるけど、ちょっと物足りなかった。「え〜そう言うノリ〜?つまんな〜い」とまではならないけど、「あっ....そうなんすね...」と視聴者を無理やり真実まで引き摺り込んで、腑に落ちないまま理解させる。的な。(あくまで個人の感想です)

最終話はすっごい良い回だったし、ドラマ全体で見れば今まで見てきたドラマの中で5本指に入るぐらい面白かったので、私の言ったことはそこまで気にしなくていいと思います!見て!!!

 

ということで!長々としてしまいましたが、偶然見つけたハル、気になった方居れば是非チェックしてみてください!